2026年2月25日水曜日

クローゼットの奥の忘れ物

クローゼットの奥に手を伸ばすと、忘れていた服たちが顔を出す。
普段は目に入らない場所に押し込まれ、ひっそりと時を過ごしていたものたち。

久しぶりに取り出したシャツやジャケットには、昔の記憶が染みついている。
「この日は何をしていたんだろう」と、過去の自分と静かに会話する時間になる。

袖を通すと、素材の感触や色合いが思い出を呼び起こす。
新品では味わえない、少しくたびれた感じや、馴染んだシルエットが、心地よさをくれる。

忘れられていた服を再び着ることは、ただの着回しではない。
それは過去と今をつなぐ、小さな再会のようなものだ。

今日もクローゼットの奥に眠る忘れ物に手を伸ばす。
そこには、日常を少しだけ特別にする、静かな魔法が隠されているのだ。

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