不思議なもので、
“いい服”を着ると背筋が少し伸びる。
誰に見せるわけでもないのに、勝手にシャキッとする。
高いとか安いとかじゃなくて、
「これ、好きだな」と思える一枚。
それを着た日の足取りは、なぜか軽い。
鏡の前で最終チェック。
昨日よりちょっとマシな自分がいる気がする。
気のせい?いや、大事なのは“気がする”だ。
コンビニに行くだけの日でも、
お気に入りのシャツを着ていると妙に堂々とする。
レジの店員さんが驚くほどではないが、
自分の中ではちょっとしたランウェイである。
いい服は大声で応援しない。
「頑張れ!」とも言わない。
ただ静かに、背中をポンと押してくれる。
その一押しで、
会話に少し自信が持てたり、
いつもより一歩前に出られたりする。
もちろん、完璧な日ばかりじゃない。
コーヒーをこぼす日もある。
「あぁ…」と肩を落とす瞬間もある。
それでも、その服を選んだ自分はちょっと誇らしい。
今日もクローゼットの前で迷う。
そして、背中を押してくれそうな一枚を選ぶ。
いい服は派手じゃない。
でも確実に、自分を少しだけ前に進ませてくれる。
その静かな力が、なんだか好きだ。
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